
伊藤組の現場代理人は、建設現場における「人・モノ・時間・図面」すべてを動かす重要なポジションです。
とび・土工工事における計画・調整・管理を一手に担い、現場の中心としてプロジェクトを安全かつ確実に進めていきます。
まず、元請会社との打合せに参加し、工事内容・作業手順・工程を確認します。そこで得た情報をもとに、CADを使って施工図を作成。職人への的確な指示出しを行います。また、使用資材の拾い出しと発注、車輛の手配、安全書類の作成(手順書・点検表・重機作業計画など)も担当。現場の「段取りすべて」に関わります。
さらに、職長会への参画などを通して、現場の情報共有や安全意識の向上にも取り組みます。 まさに現場代理人は、「作業をする人」ではなく「現場全体を動かす人」。建設現場の司令塔として、現場の成果を背負う存在です。
この仕事の最大の魅力は、自分の判断・計画・指示が現場全体の動きとなり、建物という「カタチ」になって目の前に現れることです。
自分の描いた施工図通りに足場が立ち上がり、工程通りに作業が進み、職人たちが安全に働ける環境を整える――そのすべてが現場代理人の力です。
現場ごとに条件は異なり、同じ現場は一つとしてありません。だからこそ、毎回が新たな挑戦。柔軟な発想と判断力が求められ、成長の実感も大きい仕事です。
また、複数の協力業者や職人と関わる中で、信頼関係を築き、チームをまとめる力も身につきます。「人を動かす力」や「現場を読む力」は、現場代理人ならではのスキルです。
完成した現場を見上げたとき、「この現場を自分が動かした」と胸を張れる――それがこの仕事の大きな誇りです。
伊藤組の現場代理人には、技術的な知識や段取り力はもちろんのこと、人との関係構築力や責任感が求められます。以下のような方に、特に向いています。
経験よりも、素直さ・責任感・チームで動く力を大切にしています。伊藤組では、意欲ある人材を“現場の責任者”としてしっかり育てていきます。

0年
建設業の基礎を学び、安全意識や現場でのマナーを身につける期間です。先輩社員の指導を受けながら、とび職としての基礎業務に取り組み、現場で必要なスキルを少しずつ吸収していきます。
3年
新人から脱却し、一人の技能職人として現場の一部を任されるようになります。まだ知識や経験は浅いものの、先輩のサポートを受けながら責任を持って作業を進める立場に成長します。
5年
現場での経験を活かし、新入社員の教育係として指導を担当します。また、職長の補佐役として現場を支える立場であり、将来リーダーとなるための準備段階です。
8年
現場の中心的存在として、チームを率い、工程管理や安全管理を含めた施工全般を管理します。班長時代よりも大きな責任を持ち、リーダーとしての力量が試されるポジションです。
10年
現場全体を統括する責任者となり、施工計画を立て、進捗やコストを管理します。お客様や協力会社との調整も担い、現場を「安全かつ高品質に、期限内に」完成させる役割を果たします。まさに現場の司令塔です。
12年
工務課へ異動後も、一つの現場に特化して担当します。主任は自ら現場代理人として責任を持ちながら、同時に新入社員のメンター役を果たします。
メンターとしては、単なる業務指導だけでなく、仕事に向き合う姿勢や安全意識、社会人としての基本姿勢までを伝える役割を担い、新人にとって最も身近な相談相手となります。
15年
課長は複数名おり、それぞれが自分のチームを率いています。担当チーム内の現場代理人を統括し、複数の現場を同時に管理する立場です。
一つの現場に特化するのではなく、チームの力を活かしながら全体の生産性を高めることが求められます。難しさはありますが、その分やりがいも大きく、より高いマネジメント力が磨かれます。
20年
工事部全体の責任者として、部の方針を定め、複数のプロジェクトを統括します。現場で培った経験をもとに、経営層と連携しながら組織運営に携わります。
25年
経営陣の一員として、会社の将来を見据えた意思決定に参加します。長年の現場経験とマネジメント経験を活かし、経営課題の解決や新しい事業展開にも携わります。
伊藤組では、現場で優れた技術と信頼を築いてきた職人や職長を正当に評価し、処遇に反映する「マイスター制度」を導入しています。この制度は、“現場の力”を見える化し、誇りとやりがいを持って働ける環境を整えるとともに、次代を担う若手への良き手本となる人材を称えることを目的としています。
マイスターの認定は、伊藤組が日頃の勤務態度や技術、現場への貢献をもとに、特に優れた職人・職長を選出し、元請ゼネコンへ推薦を行い、ゼネコンの審査を経て認定される仕組みです。認定された方には、現場での稼働日ごとに手当が支給され、さらに長年にわたり継続的に高い貢献を続けている方には、社内表彰や記念品の贈呈も行っています。
評価のポイントは、現場での高い技術力と責任感ある行動、安全・品質・工程の管理における模範的な姿勢、若手や周囲への指導・育成への積極的な関わり、そして職長としての統率力と信頼関係の構築など、多面的な視点から総合的に判断されます。
日々の現場での取り組みがそのまま評価につながり、努力が正当に報われる――そんな職人文化を大切にしながら、伊藤組はこれからも技術を重んじ、人が育つ建設会社として、誠実な現場づくりを進めていきます。